ディンプルキーの豆知識アレコレ

ディンプルキーは、従来の鍵の部分にあったギザギザの刻み部分を取り除いた画期的なデザインの鍵になります。もちろん、根元の部分には刻み箇所は多少ありますが、それでも同じピンシリンダー錠でありながらも、従来のピンシリンダー錠とは一線を画すようなデザインとなっています。

ところで、この鍵を説明するに当たっては、まずはこの鍵が世の中に登場するようになったその背景から説明する必要があります。何だか勿体ぶったような言い方にはなるのですが、そのくらいにタメて紹介するに値する施錠システムでもあるのです。ちょうど何年も前にピッキングという解錠の裏技を使って住居に侵入する空き巣が相次いだために、ニュースでも連日取り上げられて話題になりました。要するに、空き巣が鍵メーカーの「鼻を明かす」という事件でもありました。

もちろん、鍵メーカーとしてはこのまま黙っているわけにはいかないので、鍵メーカーの威信に掛けてピッキングに対抗可能な施錠システムの開発に取り組んだのです。その結果登場したのが、このディンプルキーになるのです。このディンプルキーのシリンダー内部を大まかに申し上げるならば、従来は1列しかなかったピン配列が横2列と上1列の合計3列のピン配列のディンプルキータイプや横2列と斜めに左右のピン配列からなる合計4列のピン配列のディンプルキーなどが現在市場には流通しています。従って、ピン配列だけでも従来の単純なピンシリンダー錠に比べると、3倍もしくは4倍になっているということになります。そうなると、1列のピン配列をピッキングでようやく解錠できたところが、一気に3倍から4倍の労力が必要になるということにもなります。こうした話を伺っているだけでも、大変そうな予感がしてしまいます。もちろん、こうした話はバーチャルな話では毛頭なく、極めて現実的な話でもあるのです。従って、向かうところ敵なしといった状況でしょうかね。